他人の自転車をイジるほど楽しいことはない~出張メンテサービス、開業の巻
カミさんの職場の後輩から、「クロスバイクがパンクしたっぽいので直して欲しい」のオーダーを承りました。
クロスバイク購入半年の初心者、しかも女子のことですから、これは相当なオンボロ状態が期待されます。私はこれまでに培ったメンテ技術を総動員し、完璧にイジり倒してやろうと奮い立ち、出張メンテサービスに出かけました。
作業はカミさんの職場で行います。駐輪場を借りてダンボールを敷き、作業場を設えました。
患者はこちらのルイガノ・シャッセ。ワイズロードオリジナルの2016年モデルで、街乗りにはなかなか悪くないバイクです。
まずはパンク修理ということだったので、後輪のタイヤを外してチューブの様子を見てみようとしましたところ、バルブをいくら押しても全く空気が抜けません。普通はプシュッってなるはずなんですが。
おかしいなぁ!?
どうやっても空気が抜けないので、タイヤ外しは断念。外部から見た限り、異物などが刺さっている形跡は無く、空気の注入も普通にできましたので、いったんこのままとしました。
出張メンテ、初っ端から挫折です。。。
あとで調べてみましたところ、仏式バルブは構造が脆いため、空気を全く入れずにそのままにしていると弁の部分が壊れてしまうことがあるようです。
今回の自転車は、前後輪ともタイヤの空気はスカスカでしたので、おそらく今まで空気入れを全然してこなかったのでしょう。
所有者を呼び出してこの怠慢を厳しく叱責したのち、こうやるんじゃい!とばかりに空気をカチンコチンに注入してやりました。
さて、パンク疑惑のほうは片付きましたので、お楽しみの点検作業に入ります。
おやおや、ブレーキは片効きしていますね。ワイヤーも少し伸びているようです。
スプロケもいい感じでドロっていますぞぉ。ギュフフ。。
チェーンは、汚れてはいますが、注油を怠っていた分、逆にドロの付着は期待したほどないようでした。まあ、いいか。
まずはブレーキの片効きを調整。Ⅴブレーキの調整は初めてですし、どうも握った感触がsono1のキャリパーブレーキとは異なるので、いい感じにするのに苦労しましたが、何とか調整完了。
次はスプロケ洗浄です。
このとおり、ピカピカにしてやりました。うーん気持ちいい!
黒メッキされているので、いまひとつ成果が伝わりにくいのですが。
作業しているうちに持参の5-56が尽きてしまったので、近所のホムセンでパーツクリーナーを購入してきました。
呉工業のパーツクリーナー、徳用タイプ(もちろん日本製)です。やはりクリーニングにはクリーニング用の溶剤を、と思って買ってきたのですが、これは即乾タイプなため、患部に吹き付けてからブラッシングをしようとするとすぐ乾いてしまいます。
私の洗浄スタイルにはあまり適していないようです。うーん。
結局、事務所から5-56を借りて作業を続けました。やはり5-56はサビ落としにも使えますし、便利ですね。
チェーン洗浄して注油、各部ネジ等のサビ取り、さらに全身を拭ってやります。いくらイジってもキリがないくらい、やることが沢山あります。
リアの変速は特に問題ありませんでしたが、フロントがインナーに落ちない状態だったため、こちらも調整しておきました。先に買っておいたメンテナンススタンドも大活躍です。
こうしてほとんど半日かかって、まさに新車のごときピカピカのシャッセが蘇りました。
ドヤァッッ!
テストを兼ねて近所を一回りしてみますと、いやぁ、私のsono1と違ってやはり太いタイヤに安定感のあるフレーム、道路の凸凹もあまり気にせず走れて悪くないですね。
姿勢もアップライトになるのでとても楽です。いい自転車ですよ。
カミさんにも買ってあげたくなりました。
この出来栄えを眺めながら、作業の報酬としていただいた勝利の缶ビールを味わっていましたところ、この様子を見ていた事務所のお姉さんが「私のママチャリも調子悪いのよね…」と言ってきました。
しめしめ。出張自転車サービスのクライアント第二号、獲得です。
とはいえ1台目に時間をかけすぎてしまいちょっと暇がなかったので、チェーン洗浄・注油をするに留めました。
ああ、フロントのブレーキも調整したかったのに…心残りです。
そんな感じで、暖かな秋の日差しの日曜日は自転車イジリで暮れました。
それにしても、
他人の自転車をイジるほど楽しいことはありませんね。
また、いつでもオーダー承りますのでご用命のほど、お待ちしておりますぞ。