秩父・長瀞めぐり~正丸峠にチャレンジ!
天気がいいのでちょっと遠出をすることにしました。
というか、夏になると日差しの強さでなかなかサイクリングも億劫になるのではという気がしたので、遠出するなら今がラストチャンスかな、と思ったのです。
最近、すごく暑くなってきましたからね。
今回のターゲットは、ズバリ秩父!です。
八高線の高麗川駅まで輪行して、山を越えて秩父市内を縦断、長瀞をパスして寄居駅から帰る、という全長約70kmのルートです。
ルートラボで経路を作成しました。
さて出発地の高麗川駅についたのはちょうど12時。
「高麗」という地名が示すとおり、朝鮮半島にゆかりがある地ということで、むこうの道祖神にあたる「将軍標」というのが街のシンボルになっています。
西武線の高麗駅にはこれのもっと大きいのが建っているんですけど、微妙にヘタクソな文字、奇妙な顔の造形がちょっと気持ち悪くて、はっきりいってあまり好きではありません。
まあともかく、サイクリングスタートです。
10分ほど走ると、巾着田に差し掛かりました。
天気がいい休日とあって、沢山の人がテントを張ってバーベキューや水遊びを楽しんでいます。
が、今日は先を急ぐのでスルーします。
日高市と秩父市を隔てる、山越えの国道299号線をひたすら進みます。若干の登りはありますが、斜度も緩いのでほとんど気にならない程度です。
第一の関門、吾野トンネルにさしかかりました。最近整備されたらしい真新しいトンネルのようです。
トンネル内は一応、歩道はあるのですが大変せまく、気をつけないと壁にぶつかって反動で車道に倒れこみそうになります。
しかも歩道の中に突然標識が立っていたりして油断できません。567mとさほど長さはありませんが、大きなダンプがビュンビュン通っていきますし、ちょっと怖かったですね。
吾野トンネルを過ぎたあたりから、少し勾配がきつめになってきます。といっても十分スイスイと漕いで上れる程度です。
しかし、何しろずうっっとダラダラした坂を上り続けていくので、さすがに疲れてきました。
売店の前のベンチで一休み。
今回のサイクリングの最大の難関、正丸峠の玄関口となる、正丸駅に着きました。
周囲にお店など何もない山奥の駅ですが、わりときちんとした食堂が併設されており、沢山のバイクや車、自転車乗りたちが休憩していました。
峠越えを目指す人たちの「最後の憩い」館といった感じですね。
そしてその先が正丸峠です。
事前リサーチしたところ、ここに通っている「正丸トンネル」というのは、峠越えの時間を飛躍的に短縮させた便利な道なのですが、幅が狭く歩道が無い上に大型のトラックをはじめとしてかなり車の通行量が多いことから、自転車通行は禁止ではないがやめたほうがいい、とのことでした。
標識にも「自転車・歩行者は危険」と書いてあります。それでも蛮勇を奮ってトンネル通行にチャレンジしてみようかな、と思っていたのですが、やはりブルッと来ますね。
これが正丸トンネルです。噂にたがわず、狭い通路に沢山の車が容赦なく吸い込まれていきます。
長さは約2km。うーん大丈夫かな…ちょっと怖いけど、勇気を出していってみよう!
と心を決めてトンネルに突入しようとしたその時。
「おーい兄ちゃん、そこは自転車ダメだ。こっち(峠)から行け!」
と対向の車から顔を出したオジさんに怒鳴られてしまいました…
うーん、やっぱダメか…。ま、そりゃそうですわな。親切な人がいたものです。
というわけでトンネル通過は断念。こんなときのために、一応峠越えのルートも事前にリサーチはしてあったのですが、距離は7kmほど遠回りになりますし、当然キビしい登りを強いられますから、ヘタレの私に行けるのだろうか!?という不安があります。
そうはいってもいまさら後戻りはできませんので、頑張って登りにチャレンジします。
登ってみますと、勾配自体は先日登った越生の山登りルートに比べてだいぶ緩やかなので、何とか足を突かずにえっちらおっちら登っていける感じです。
それでも延々とくねくねと続く山道にしばしば途方に暮れます。
斜面には野生の藤の花が咲いていました。
そして峠道を上ること約30分。体感ではもっと長いこと登っていたような気がするほどうんざりしていましたが、
正丸峠に到着!昭和天皇、今上陛下ご一家もいらしてたんですね。
峠からは絶景が望める、と聞いていたんですが、山に囲まれてさほどの見晴らしはありませんでした。
さあ、ここからはご褒美のダウンヒルです。
登りと同じく、下りも比較的ゆるやかな長い坂がダラダラと続く感じなので、あまりスピードが出過ぎることもなく、快適に下っていくことができます。
汗だくの体を通り抜ける風が心地いいですね。
ぐるっと廻って、先ほどの正丸トンネルの出口に合流しました。およそ1時間の遠回りとなりましたが、初心者の私でも比較的上りやすい山道だったので、こちらのルートで正解でしたね。
そこから先もひたすらなだらかな下り坂をスイスイ進みます。
15時頃、芦ヶ久保にある道の駅に到着。
お昼は秩父市内に入ってから食べようと思っていたのですが、予定よりだいぶ遅くなってしまったので、ここで食事をとることにしました。
秩父といえば味噌豚丼がご当地名物、ということになっているのですが、疲れて固形物が喉を通る気がしなかったので、山菜とろろ蕎麦にしました。
この手の食堂で出てくる蕎麦にしては、結構おいしかったです。
さて、しばらく休憩したのち、横瀬の町に入ります。
ふと見やると、見事な武甲山の威容がそびえていました。
採掘で山体は激しく削られてしまっておりますが、それでもなお、秩父のシンボルにふさわしい見事な山ですねぇ。
秩父市内に入ったところで、秩父神社におまいりしていきました。
さほど大きくはありませんが、なかなか立派な神社です。
お気づきでしょうか?参道の線と神社の正面の向きが微妙にずれています。タモリさんなら「!」マークが飛び出そうなポイントですね。
私の勝手な推理では、もともと鳥居と参道も社殿の正面にあったのが、街の区画整理の影響で西にずらされたのではと思います。
で、社殿の正面の先に何があるのかというと、武甲山なんですよね。
などと、いろいろ勝手な妄想をしてみるのも楽しいです。
この先、秩父駅前にある仲見世を見物しようと思っていたのですが、もうだいぶ日が傾いてきたので、パスして先を急ぐことにします。
休憩がてら立ち寄った「和銅黒谷駅」。このすぐ近くで、あの「和同開珎」の名前の由来となった銅が産出したという古代の銅採掘跡があります。
秩父鉄道に多い、レトロなたたずまいの駅舎がシブくていいですね。
駅構内には、件の和同開珎のオブジェも飾ってあります。
さらに先を急ぎます。
長瀞までやってきました。
ここは宝登山神社の入り口の鳥居です。
宝登山は歩きで何度か登ったことがありますが、電動アシスト自転車をレンタルして登ることもできるみたいで、こんどやってみたいですね。
そして本日最後のチェックポイントです。
何度みてもいい景色ですねぇ。
そんなわけで、なんとか明るいうちに終着点の寄居駅まで帰りつくことができました。
残念なことに、駅前にはあまり飲み屋がないので、おとなしく帰宅することにします。
山越えありの70km超のサイクリングコースはさすがにきつかったですが、ヒルクライムのコースとしては勾配も手ごろで比較的初心者でもいける感じですし、また行きたいですね。
秩父の魅力いっぱいのスポットも、今度はゆっくり見て回りたいです。
■本日の走行記録
・走行距離 70.93km
・走行時間 3時間36分
・最高速度 47.1km/h
・平均速度 19.6km/h
・累積走行距離 2062.5km