ムーミン谷は飯能市にあり!?~あけぼの子供の森公園、こいつぁ本格的だ!
埼玉県の南西部に位置する飯能市は、どういうわけかあのムーミンとのつながりが深いようです。
有名な西川材をはじめとした林業で盛んな街ですが、山野と川など自然豊かな土地柄があの童話のイメージと通じるものがあったんでしょうかねぇ。
ともかく、飯能には「ムーミン谷」と呼ばれる施設が二つあります。
一つは開業前ですが、「メッツァ」というまさにムーミンテーマパークです。
そしてもう一つが、今回訪れる「あけぼの子供の森公園」です。
あけぼの子供の森公園は、もともと特にムーミンを意識して作られたものではないそうですが、自然との調和をテーマにつくられた建物、野山の地形を活かしたおとぎ話のような美しい景観で、いつしか「ムーミン谷」と呼ばれるようになったようです。
私はムーミンは絵本もアニメもさほど見た記憶がありませんので、その辺にはあまり興味はなかったのですが、自宅からもさほど遠くはありませんので、サイクリングスポットとして丁度よさそうです。早速行って見ましょう。
と、現地に乗り込む前にまず腹ごしらえを。
道中通りかかった、狭山市駅の近くにある武蔵野うどんの店、「麺処 まると」です。
この地域ではなかなか評判の店のようなので期待して中に入ります。
いつもうどんばっかり食べているので、今回は肉汁つけ蕎麦を頼んでみました。
しばし待って出てきたのは!
すごいボリューム!!!
どんぶりになみなみと満たされた漬け汁は、たまねぎ・豚肉・うずらや香草などがどっちゃりと入っていて、これだけで十分お腹一杯になってしまいそうな豪快さ。
お蕎麦も並盛りなのにけっこうモリモリですね。
たまねぎの甘みがしっかり溶け込んだツユ、ジューシーな豚肉に柚子の清冽な香りが食欲をわきたてる、大変乙な一品。これは美味い!
かなりの量があるので、お昼は軽く済ませようと思ってたのですがお腹一杯になってしまいました。
ふう。。。
お店は近所のひとらしき家族連れが入れ替わり立ち代りで賑わっています。顔馴染みの客も多そうですね。噂どおり、地元で愛されるお店のようです。いい店をみつけました。
さあ、お腹も膨れましたので先を急ぎましょう。
ここから目指すムーミン谷までは30分ちょっとくらいですね。
豊水橋から入間川を眺めます。川遊び、楽しそうですね。
さて、ほどなくして現地についてみますと、なにやらドンドコドンと賑やかな歓声が聞こえてきます。
女子ホッケーの試合をやっていました。大学生の大会のようですね。
飯能市はホッケーに力を入れているそうで、学生から社会人までいろんなチームが活動しているんだそうです。
それにしても、見ているだけでも痛くなってきそうな、激しいスポーツです。
それではようやくあけぼの子供の森公園に潜入してみましょう。入場無料です。
たくさんの人が訪れていますね。
遠くになにか見えるぞ!
おお、キノコみたいな変な家!おもしろそう!
横のドーム上の大きな建物には大勢の人が集まっています。なにかイベントでもやっているんでしょうか。
とりあえず、気になるキノコの中に入ってみましょう。
人のお宅に入りますので、靴はもちろん脱がないといけません。
トレッキングシューズは脱ぎ履きが面倒なんですよね、普通のスニーカー履いてくりゃよかった。。
表玄関が混雑していたので、裏手から入ってみますと、まずは10人くらいがダンスパーティでも開けそうなホールに入ります。
どうせ見た目だけの張りボテみたいなもんだろう、と高をくくっていたのですが、いやいやどうして、中は立派な丸太の無垢材で組まれたポスト・アンド・ビームの本格的な木造建築です。
こういうの、私好きなんですよね。
内部はらせん状に回遊しながら上にのぼっていく構造で、ゴチャゴチャとしていますが明るい採光と吹き抜けで開放感があります。
金属の手すりなどはアールヌーボーっぽい曲線が与えられて木材とうまく調和しています。
キノコは二つの塔が合わさったしくみになっています。
これは小さいほうの塔のてっぺんですね。
放射状に伸びた丸太が塔の屋根を支えています。当然、地元自慢の名産、西川材をふんだんに使っていることでしょう。
居間?らしきところにはこんな隠れ穴のようなしかけもあって、大勢の子供達がキャッキャ騒ぎながらかくれんぼ。
いたるところに隙間や不思議な空間が設えられたこの建物は、一日中かくれんぼしてても飽きないでしょうね。これは楽しそう!
ちょっと一人になりたいときは、こんな静かな小部屋をどうぞ。
さあ、大きいほうの塔のてっぺんにも上ってみましょう。
うえから見下ろすと、さきほどの居間からその先までずっと見通すことができます。
塔のてっぺんはやはり丸太でドームを支える構造。けっして飾りの子供だましではなく、隅から隅までしっかりつくられた素敵な建築です。これはいい!
大して期待していませんでしたが、おもわず面白いものを見れて大興奮でした。いやぁ、こんな家、住んでみたいですよね、ですよね!?
それでは次に進んでみましょう。
小川のなかに浮かぶ釣り小屋です。
この小屋も杉を中心とした無垢材で作られています。
なかなか画になるもんですねぇ。これがムーミン谷と呼ばれるゆえんでしょうか。
さらに森の中をすすんでみます。
突然現れるツリーハウス。
子供のころはこういうのを見ると狂喜乱舞していましたがね。まあ、今でも大して変わりはありませんが。
無骨な鉄板を鋲で繋ぎ合わせて造った橋が現れます。
ここだけなんだかスチームパンクっぽいですね。
杉で作られたデッキを渡って、さらに奥に進んでみます。
どんづまりには、滝があるとのことですが、残念ながらこの日は営業していなかったようです。
次に現れたのは、垂直に立てた丸太が大きなアーチを描く、森の家です。
ここはかなりモダンなデザインですね。
しかし中にはいると、やはりログハウスのような無垢材につつまれたナチュラルな内装。
いやあ、こんだけ沢山の丸太を使って、実に贅沢だこと!広い空間と高い吹き抜けでとても開放感のある建物です。
ここはムーミンの原作者、トーベ・ヤンソンの事跡を振り返るミニ資料館のようになっています。
外観ではちょっと重厚なイメージを醸していた外壁も内側にまわるとこの優しさと軽やかさです。視線が自然と上に誘われて、その先には燦燦と光を取り込む天窓が。
二階にあがると読書スペースが設えられています。
こんなところでお勉強すればきっとはかどる。。。かな?
いやあ、これも面白い建物でした。
最後は入り口にあったドームに入ってみましょう。
ちょっとした演奏会もできそうな広い空間です。窓を開け放して、心地よい風が通り抜ける気持ちの良い空間です。
ここは木材を曲げたボールトで屋根を支える構造ですね。
木の柱と漆喰塗りの板材だけで作られています。かなりのこだわりが見えますねぇ。
ああ、その気持ち、わかります。
外に出てドームの屋根を見てみます。
驚くべきは瓦材なんですが、自然石を薄くスライスしたものを敷き詰めてあります。
ここまでこだわるとは!見た目だけでない、本物志向ですね。
ドームから公園を見下ろします。
さほど広くはない公園ですが、面白いものがいっぱいあって十分に楽しむことができました。予想以上によかったですね。
そして帰り道は入間川サイクリングロードをスイスイ進みます。
生い茂る木の間を通ったり、川の流れをみやったり、とても気持ちいいコースです。しかも、信号や車道との交差がないため起点の豊水橋から川越の初雁橋まで、ノンストップで走り抜けることができます。
初雁橋まで、だいたい30分で着きました。いやぁ、快適サイクリングでしたね。
■本日の走行記録
・走行距離 32.81km
・走行時間 1時間48分
・最高速度 48.3km/h
・平均速度 18.1km/h
・累積走行距離 4265.6km