忍城を攻略せよ! ~「のぼうの城」追体験ツアー
何年か前、「のぼうの城」という小説がベストセラーとなり、書店に平積みになっていたのを覚えています。
どうも歴史小説らしいことはわかりましたが、なんとなくふざけた装丁が気に喰わず、どうせろくなもんじゃあんめいと手に取ることはありませんでした。
ところがこのたび、この小説が行田市にある「忍城」を舞台にしたものであることを知り、サイクリングコースの予習のために読んでみなくては、と思い立ちました。
しかし最近すっかり本を読むという習慣をなくしてしまった私は、めんどうなので映画版を借りてきて手っ取り早くその世界を俯瞰することとしたわけです。
物語自体は、実在の人物や史実を題材としたまったくのフィクションですが、まあまあ面白かったですし、これから向かう地への想像を膨らますには十分でしたよ。
さて、予習もバッチリ、いざ行田市の名所「忍城」へと向かいましょう。
スタートはやはり東松山駅からです。
県道66号線をひたすら北東に進み、JR高崎線の吹上駅を越えると、道路に忍城跡の標識も見えてまいりました。この日は陽射しは暖かだったのですが、荒川を越えたあたりから強い北風が吹き始め、ちょっと難儀します。
今回はお城にまっすぐ進まず、まずはさきたま古墳公園に向かいましょう。
武蔵野うどんの「元祖田舎っぺ」にてお昼をいただきます。以前この店に来たときは、オーダーストップの15時まぎわだったので、冷汁うどんしか食べられませんでした。
今回も大してかわらない時間ですが、なんとか名物・きのこ汁うどんにありつくことができました。
ものすごくコシのつよい麺はたべごたえあり。きのこの出汁がたっぷり出たおつゆも絶品。やっぱり、うまいなぁ。
さあ、さきたま古墳公園に入りましょう。
今回は「のぼうの城」追体験ツアーですから、まずは石田三成軍が本陣を置いたという丸墓山古墳に登り、成田方の敵情視察を行います。
それにしてもこの古墳の周囲は、やけにスマホを持ってうつむいてピコピコやっているひとが沢山集まっていました。
何やってるんだろう、と思ったら、ああ、ポケモンですか。そんなのありましたね。
東京のほうでは一時期猫も杓子もという感じでしたが、最近はすっかりみかけなくなりました。これくらいの田舎になってくると、ポケモンもまだまだ現役ですね。
古墳の上から隣接する稲荷山古墳を眺めます。あちらも上に登ってみることができるはずですが、それはまた今度にしましょう。
それでは古墳の上から石田光成になった気分で忍城をながめてみます。
しかし山の頂上は恐ろしく冷たい北風が激しくピューピュー吹きすさび、あまりの寒さにカメラを持つ手も震えます。
城は?城はどこだ!?早くッ、
寒い。。。。ッッ!
あーあったあった。これね、はいパチリ。
ゆっくり眺める間もなく、そそくさと山を駆け下ります。
これで成田軍の陣容は完全に把握いたしましたので、いざ、忍城へと攻め込みましょう。
忍城は、広大な沼地の中に浮かぶ島を橋で結んだような構造で、その攻めにくさから関東七名城にも数えられる立派なお城であったそうです。
石田三成軍が攻めあぐねたという水に浮かぶ城とはいかなるものか、見てみたいと思ったのですが、堀や沼地、お城の遺構はほとんど取り壊されてしまい、いまは見る影もありません。
行田市役所のそばにある水城公園に、当時をしのばせる沼が整備されて残っているのみです。
さあ、お城にやってきました。
こちらは天守ではなく櫓ですね。資料館兼展望室になっています。
中に入ってみますと、梅のかぐわしい香りが。もう春はすぐそこですね。
資料館に入ってみましょう。
「行田ふれあいポタリング」の案内ポスターが貼ってありました。
ヘタレの私でも十分参加できそうなフレンドリーなイベントのようで心惹かれましたが、何しろこの地に朝8時集合、というのはちょっと無理すぎますね。残念
3階立ての櫓からは行田市内が一望できる、と思ったんですが、格子が太すぎてほとんど外の景色が見えませんでした。
まあ、お城は軍事施設ですからね、これもある意味リアルなのかもしれません。
お城見学を堪能しまして、外にでます。
かつてはこのあたり一体が広大なお城の敷地内であったわけですから、街の各所に当時の施設が建っていた場所を示す碑が建てられています。
ああ、せめてもう少しだけでも、当時の姿を残してくれていたらよかったんですけどねぇ。。
さて、忍城は無事攻略いたしましたが、つぎは石田三成が水攻めのために築いたという堤防、通称「石田堤」を検分するといたしましょう。
石田堤の遺構は先ほど訪れた丸墓山古墳のところにもあるのですが、5kmほど離れた先に「石田堤史跡公園」というのがあるそうなので、そちらに足を伸ばしてみます。
この辺の機動力、やはり自転車は便利ですねえ。
さて史跡公園に着きましたが、なにやらちょっとした丘の上に木枠で組んだ舞台のようなものが設えてあるだけで、これといってなーんにもありません。むむ?なんだこりゃ。
そこで線路を挟んだ逆側に行きますと、おお、あったあった。
わずかに残された土の堤防は、断面を覗いたり上から眺めたりできるようになっていますが、堤防の上にあがることはできません。
まあ、実際、こんな壁が街中を走っていたら往来が妨げられて邪魔でしょうがないでしょうからねぇ、いまはほとんど跡形もないようです。
それにしても埼玉県北部エリア、グルメに歴史に花火にとなかなか魅力的な地域ですね。
■本日の走行記録
・走行距離 38.3km
・走行時間 2時間07分
・最高速度 38.1km/h
・平均速度 18.0km/h
・累積走行距離 3455.9km